創業を考えるとき、多くの方は「何を始めるか」に意識が向きます。
もちろん事業内容は大切です。しかし実際には、それ以上に「どのような構造の事業を選ぶか」が、その後の経営を大きく左右します。
私はこれまで事業運営を続ける中で、うまくいく事業には共通点があり、苦しくなりやすい事業にも共通点があると感じてきました。
創業時に大切なのは、派手な成功を目指すことではなく、まず生き残ることです。
そのために、次のような点を意識することをおすすめしています。
・初期費用をかけすぎない
大きな設備投資や店舗取得は、事業が軌道に乗る前から大きな負担になります。創業時は完璧を目指すよりも、小さく始めて検証を繰り返す方が安全です。
・固定費を増やしすぎない
家賃や人件費などの固定費は、売上に関係なく発生し続けます。固定費が大きい事業ほど、売上が落ちたときのリスクも大きくなります。
・在庫を抱えすぎない
在庫は資産であると同時にリスクでもあります。売れなければ現金は戻らず、保管コストや廃棄リスクも発生します。まずは小さく試し、市場の反応を確認しながら拡大する方が堅実です。
・利益率を意識する
売上が大きくても利益が残らなければ事業は続きません。創業時は売上規模よりも、「利益が残る仕組み」を考えることが重要です。
・自分の強みが活かせる分野を選ぶ
経験、知識、資格、人脈。
これまで積み上げてきたものを活かせる事業は、ゼロから始める事業より有利です。
専門性が高いほど価格競争にも巻き込まれにくくなります。
一方で、創業時に慎重に考えたい事業もあります。
例えば、
・大きな初期投資が必要な事業
・固定費が重い事業
・価格競争になりやすい事業
・特定の取引先への依存が強い事業
・誰でも参入しやすく差別化が難しい事業
です。
こうした事業は、どれだけ努力しても利益が残りにくくなることがあります。同じように真面目に取り組んでいても、将来の選択肢が広がる事業と、広がりにくい事業があります。
だからこそ創業時には、「何をやるか」だけでなく、「どのような構造の事業なのか」を考えることが大切だと思っています。創業を考えている方も、事業を続けながら悩んでいる方も、まずは整理するところから一緒に考えられればと思います。